(前回からの続き)
当日、クッソ面倒だなと思いながらヤツに引きずられながらライブハウスへ到着。
👨🎤:既にアゲアゲだろ?
🕺:サゲサゲだわ。
👨🎤:そんなこと言わんでくれよ~
🕺:…
どうも場に馴染めない。独特の匂いと会場の異様な熱気。
やっぱり、来なきゃよかったと…。
雰囲気にのまれるのがヤだったので、隠れるように少しその場から離れる。
するとそこは狭い通路。
ふと俺は、その通路の壁に乱雑に張り付けられている『バンド募集』の紙切れを眺めていた。
その中に*** by レオと書かれている募集の紙切れがある。
🕺:コレお前?
👨🎤:そうだよ。
内容は「俺、ボーカルです。ギター、ベース、ドラム募集!!」と書かれてある。
🕺:お前、歌うのやめといた方がエエな。
👨🎤:それを言っちゃおしめぇよ…。
🕺:一番大事やん?ボーカル。
そんなやり取りの後、ライブが始まる。
けど、俺は知らないバンドの歌なんかで気分なんか上がるわけないし、雰囲気もイヤだし外に出た。
で、コンビニで飲み物を買って飲んでるうちに、なんかどうでもよくなってきて、そのまま家に帰ってやったw
今みたいに連絡手段も限られているので、すぐに捕まることもない。
(当時、確かポケベルくらいじゃなかったかな🙄)
そして、次のバイトで…
👨🎤:なんで帰ったん?
🕺:そら、帰るだろw
…
それからというもの、ライブに誘われることはなくなった…かと思われた矢先、また誘ってきやがった。
👨🎤:来い♡
🕺:行かんわ、ハゲ。
👨🎤:ライブはいいから、その後の打ち上げに来てくれよ。
🕺:余計に行かねぇよ。
よくよく聞くと、打ち上げってその日に出演したバンド同士の交流会みたいな側面もあるそうだ。
後から知ったけど、各バンドのファンと言うか取り巻きが多い方が、そのバンドのハクが付くようだ。その一要員として呼ばれる。
実は少し前に三波君、バンドを結成していた。
その中の一人と俺はたまたま顔見知りで、しかもそいつ割と面白いヤツだった。
「じゃ、ちょっとだけな」と行く事にした。
そして当日、俺はその打ち上げ会場に行った。
売れないバンドマンの集う場所。
カネがないヤツの集まり。それに似つかわしい薄汚い会場。もちろん立食。椅子なんかあるはずもない。
ロックについて熱く語るヤツがそこら中にいる。
先輩バンドがそれを熱く語ってるんだけど、それを聞いている後輩バンドはウザがってるのが表情で伺える。
話を続けているうちに、ロックの価値観が違うのか後輩バンドが先輩バンドに突っかかる。
🦹♀️:それはロックじゃ無いッスよ。
🦹🏿♂️:なんだとこの野郎!
これぞロッケンローラー。
そんな価値観なんかどうでもいい俺は、この後の展開がどうなるかと楽しみでしょうがなかったのを記憶している。
続く…。
◆
ロックなやつは色々と面倒なヤツが多いw
超有名ロック歌手にでもなれば、その人の言うことがカッコよく聞こえる。
だけど、その辺の場末のロックを気取ったお兄ちゃんが、熱く語ってもそれはカッコ悪い。
だけど、カッコ悪いながらも意見が合わないとすぐケンカが始まるのもロッケンローラー。
逆にロックの価値観が同じであれば、異常なくらい仲が良くなる。
その内「俺が女なら、絶対オマエに惚れてるわ!」くらい言い出す。
だけど、数年も経ってくると「音楽性の違い」が出てくるのもロッケンローラー。
一度、関係性にヒビが入ってしまうと修復不可能になって、解散の道を避けて通れないのもロッケンローラー。
やっぱりこういう人たちは、外野から見るのが一番楽しい。