仕事帰りにいつものコンビニに立ち寄る。
いつもと変わらぬ飲むヨーグルトとレジ横のまんじゅうを買う。
仕事帰りのちょっとした幸せ。
リトルマーメード?
アニメや漫画のキャラも、もうよく分からなくなってきた。
そんなことを考えながら、レジに向かう。
そして会計を済ませ、駐車場に戻って車に乗り込む。
そして、何気なく隣の車を見ると女の人がパンを「パクッ」っとほおばっていた。
俺と目が合う。
その女の人、モグモグしていた口が止まる。
目を見開いたまま、さらに俺と目が合ったまま。
ああ、恥ずかしいんだろうな…そう感じた俺は「何も見てないですよ」と言わんばかりに視線をそらす。
別に恥ずかしがらなくてもいいんだけど、特に女の人は恥ずかしいのでしょうね。
そら、天気のいい午後3時。腹も減りますわ。
似た話で一人で飲食店に入れない人が一定数いる。
男でも女でも。
データによると、女の人の方がその割合は高い。
人の心理として「一人で飲食店に入るとカップルにクスクスと笑われた」と言ったエピソードがある。
実際にそんなことはないだろうし、むしろ笑うヤツの方がおかしいと普通は感じるはず。
一人で行く飲食店は人生のワンシーン。
腹が減った時、一人でも遠慮せずパンでもまんじゅうでも食べたらいいし、焼き肉屋だって行ったらエエ。
恥ずかしがらずに。
あなたが他人を気にしていないのと同じで、あなたをそこまで気にしてません。
ところで、気にするしないと言ったら、今日のエレベータ内での出来事。
雑居ビルの5,6人乗りの狭いエレベーター。
俺とオッサンがそのエレベーターを待っていた。年の頃なら60前だろうか。
俺が先に入ったので奥に陣取る。
そのオッサンは、入り口側に突っ立ってる。
ここまで聞くと、何事も無いように聞こえるだろうけど、なんとそのオッサン横を向いているんだ。
もちろん俺は、エレベーターの扉側に体を向けている。
つまり、オッサンの横顔がイヤでも視界に入る状態。
なんか気まずい…。
オッサンの視線が気になってしょうがない。
「チラッ」と上を向いたり、下にそらしたり。
エレベーター自体が狭いので、オッサンとの距離もなかなか近い。
オッサンの心理から推測するに恐らく、後ろに人がいる事に恐怖を感じているんだろう。
分からなくはない。
初めて出会う人同士だもの。しょうがない。
いくら俺が善人であってもオッサンはそれを知らない。
「ウィーーーーン」とエレベーターの上がる音だけが、俺とオッサンを優しく包む。
5,6秒後、目的の階に着く。
そのオッサン、開くボタンを押してくれている。
「どうも」と言ったか言わなかったかは覚えていないけれど、ペコッと頭を下げて俺はエレベーターを後にした。
そんな出来事があった風の強い日でした。
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台風10号が接近しています。
お気を付けください。